さまざまなランポー玉 2


表紙に使用した写真


<ドラゴン(仮称)>
4年程前、亀甲ヘキラン錦の実生苗の中から複隆のような特徴を持つ苗がかなりの割合で出現しました。そのうちの1本を接木しました。表紙と(1)の写真です。少ししか複隆のような顔が出ていませんでしたが、生長につれ写真のような異様な隆起が現れどんな姿になるのか想像もつきませんでした。この苗に「オバケ」とか「ガマガエル」などと言っていましたが、「ドラゴン」という名で発表されましたので、「ドラゴン」としておきます(複隆の血は入っていません)。この苗9cmほどで残念ながら生長点が止まり採種できませんでしたが、生長点が無いのにどんどん大きくなり現在13cmを超えています。隆起も全面に出現しています。同様の特徴を持つ苗2本を接木したものが(2)とRyota君のページ(『突起イボ亀甲ヘキラン』と書かれているものです)にあります。(2)の苗チョコレートが入っています。すばらしい亀甲になっていますが、特徴は出なくなっています。(1)〜(5)まで兄弟苗です。(6)は前年の苗です。(3)は小苗ですが普通のヘキランと違って全体に波打つような感じがあります。(4)は紅葉が入っています。これが一番正木では変化しています。(5)はアレオレが縦長になっています。同タイプもう1本あったのですが、成長点が止まってしまいました。(6)は複雑な亀甲になる気配があります。減稜して生長点が止まったりするところは三角の紅葉を作出するために三角ヘキランを何代か前にかけた血が現れています。また、わずかですがチョコレートの苗があります(特集の物とは違います)が同じ流れを汲むものです。そのため亀甲の血がきわめて強い。
1)  全面に異様な隆起が出始め
   8 cm
2) チョコレートが入る亀甲
   (隆起は止まっている)
   10cm
3) 稜間に隆起が出始めている
   3 cm
4) 稜線から出ています(紅葉)
   4.5cm
5) 稜間、稜線ともに出ている
   アレオレも長く変化
   4cm
6) おもに稜線に出ている(亀甲)
   6.5cm

<墨 斑>


6年程前に、日本シャボテン大会で3cm程の苗を購入したものです。比較的生長が良く現在15cmを越えています。
(7)〜(9)は元親です。この木は弱い紅葉が入っています。実生しますと何%かの紅葉が出ます。今までかなりの数を実生したのですが、同じようなものは今のところ2、3本です。
来年には特徴の出ているもの同士交配できると思います。数が出来れば墨斑の良タイプとして人気種になると思います。
7) 夏の色
   11cm
8) 春の色
   9cm
9) 現在の姿
   15cm
10) F−1
    4cm
11) F−1
    6cm
12) F−1
    9cm

アベコベとボール>

アベコベランポーは故吉永茂氏が昭和55年頃、GX系から出たアベコベタイプと紅葉系ランポー(丸い)を交配して作出したものです。ボールランポーは岡山方面で出現したものと聞いています。
アベコベとボールランポーは初めの頃は別々に扱われていましたが、現在は同系統でも真ん丸く見えるものがボールで、稜間が突出しているものがアベコベとして通用しています。
(13)、(14)、(16)は吉永アベコベの血を受け継ぐ恩塚三角です(吉永氏の元親の写真は『カクタスガイド161号』12ページに載っています)。
(15)はGX系の三角ランポーに吉永三角ヘキランを交配して作ったものです。ヘキラン型のアベコベは大変珍しく、この木をベースに育成中です。
(17)は親木として非常に良い資質を持っています。
(19)までがアベコベ系で、(20)からがボールタイプです。
(21)や(23)のように、最近は亀甲が入るタイプも出現しています。
13) 14と同系統(恩塚三角)
    5cm
14) 13より白点が白い恩塚三角
    5cm
15) 薄い肋骨とギンサ(三角ヘキラン)
    13cm
16) 白雲と複稜のある恩塚三角
    10cm
17) アレオレが利没するタイプ
    (恩塚四角ランポー玉)
    13cm
18) 四角ランポー玉
    5cm
19) 大きくなりそうなタイプ(ランポ―玉)
    10cm
20) 三角ランポー玉
    13cm
21) 亀甲四角ランポー玉
    10cm
22) 恩塚四角ランポー玉
    10cm
23) 恩塚ランポ―玉
    7cm
24) 恩塚ランポ―玉
    11cm