サボテン栽培の楽しみのひとつに接木があります。しかし、バイラスや軟弱苗等いろいろ弊害もあります。 病気等をできるだけ防ぐために、実生の台木に実生苗を接木するという考え方で、少し接木のことを書いてみたいと思います。 実生の台木を使うということは、現在では袖ヶ浦、竜神木、プシスなどが一般的だと思いますが、自家産の台木を早くつくるということで、今回は袖ヶ浦をテーマにします。今までの接木の仕方は、袖ヶ浦がいちばん誤った記事等が多く見られますので。 なお私達のやり方がベストだとは思ってませんので、お気づきの点があればお知らせくだされば幸いです。 |
1) 袖ヶ浦の花 (夜咲き) 母木に使用 |
2) ロビオプシスの花 父木に使用 |
3) 袖ヶ浦の種子の熟したところ |
4) 取り出した種子 袖ヶ浦×プシス(ゴマ粒大) |
5) 実生4ヶ月 高さ1cmくらい |
6) 実生半年くらいで地植えする 2cmくらい |
7) 地植え3ヶ月後 10cmくらい あと2ヶ月くらいで使えます |
8) 実生40日くらいのランポー玉 これくらいの苗を実生接ぎをする |
9) 1、2cmの実生苗 |
10) 実生接ぎをしてキャップをかけている苗 | 11) 子苗は伸縮包帯で接ぐ | 12)生長が始まれば上部を少し切って外気にならす |
13)接木に使うもの | 14)台木(袖ヶ浦) | 15)ナイフで上部の稜を削ぎ落とす |
16)カミソリで上部5ミリくらいを水平に切る | 17)下部3、4分の1くらいを水平に切った実生苗をおく | 18)必要な事を書き込んだキャップをかぶせる |
19)接木後3、4週間たった苗 キャップをはずしたところ |
20)2、3ヶ月くらい 特徴が現れ始めた苗 |
21)4、5ヶ月くらい これぐらいになれば少しぐらい無理をしても大丈夫です |
■■ 用意するもの ■■・ティッシュペーパー・・・刃物や台木を拭いたり穂木の水分をとったりする・カミソリ・・・台木と穂木を切るのに使用 ・ナイフ等・・・台木の稜を落とすのに使用 ・伸縮包帯・・・実生接ぎができない2センチくらいまでの苗を接ぐのに 糸のかわりに使用 ・糸・・・少し固めの穂を接ぐのに使用(伸縮包帯と併用) ・ピンセットなど・・・実生苗をつまむもの ・キャップ・・・接木後乾燥を防ぐためにかける(置き接ぎ用) ・油性のマジック等・・・接木日、品名など必要なことを書き込むため ■■ 接木を成功させるために ■■毎年たくさんの接木をしますが今までにこういう時は失敗したこういうときは成功したということを書きます ●実生接ぎの場合
●接木を成功させるワンポイント袖ヶ浦の生長サイクルは冬は休眠(ただし根は動いている)春は急激な生長接木の適期(晩春から八重桜が咲く頃) 梅雨前後一時休止、充実生長(この時に接いではいけない) 夏から初秋まで成長期、だいたいこのような生長サイクルですので 活着がいちばんいいのは5月から一時休止するまでと生長が始まってから 9月初めぐらいまでが時期的にはいちばんです。 私の接木は前日にたっぷりと水やりします。できれば2、3日前に台木の 稜を削いでおきます。 朝から雨または曇天であればベストです。 初めに削ぎ落としておいた台木の切り口をみます。小さな斑点や変色部分 がなければ接木作業を始めます。 バイラスやその他病的なものが入っていればこういう状態になるので、 その苗は捨てます。(実生の台木ならまずなりません) 台木の上部5〜1センチぐらいを水平に切りますが、切る位置は穂の大きさに 合わせて切ります。(切った時に水分が多いようであれば、ちり紙で拭き取ります) 穂も同じように水平に切りますが、発芽3、40日ぐらいをめどにそれ以上の苗は 切り口を台木と同じように拭きます。 この状態で台木、穂木ともにへこむときがあります。台木は成長がベストでないときに おこります。穂木は少し大きくなりすぎたときによくなります。こんなときはもう一度 切り直しをして接ぎます。接いだ穂を落とさないようにキャップをかけておきます。 1週間ほどしてパンパンに張っていれば成功です。小苗の接木も原理的には同じ ですが、穂の方を二度切り、甘皮を取るぐらいですね。 ●だいたいこのやり方をすればほぼ100%つくと思います。 袖ヶ浦接ぎがうまく出来ない方、参考にしてください。 |